ユーティリティ業界の将来図:5つのトレンドと6つの視点

先々週、海外の調査会社のWebinarがあり、アメリカ・欧州を中心とするユーティリティ業界の将来動向に関する大変興味深い議論がありました。

日本でも2016年からの電力自由化に続き、ガス事業の自由化の議論も始まっていますが、すでに自由化が進んでいる海外のユーティリティ業界では、今後も大きな変化が続くということです。

セミナーでは大きく以下5つのトレンドと6つの視点から、個別事例や英米オーストラリアなどの電力/ガス会社、エネルギーマネジメント・ソフトウエア、顧客アンケート結果等の紹介もありました。

≪5つのトレンド≫ これまで → これから

【発電・生産】集約した発電所 → 集約と分散

【配電】運営・維持管理 → 双方向の電気の流れ

【データ収集】現場の社員 → スマートメーターによる自動化

【ITシステム】部分的・個別 → 完全に統合

【販売モデル】メガワット(量) → メガワットとエネルギーサービス

≪今後の動向に関する6つの視点≫

1.老朽化するインフラ

2.規制緩和

3.低炭素政策

4.各国のエネルギーポートフォリオの変化

5.顧客ニーズの変化

6.新たな技術

日本では個別テーマとして論じられることが多い上記6つの要素を、ビジネスの視点で整理されており、様々な論点が提起されていました。

興味深かった数値の一つは、規制改革(自由化)によって顧客の契約シフトが活発になっており、イギリスでは、電気、ガスともに、毎年15-20%の顧客が、契約会社を変えているということでした。これについては、他の調査でも、年齢が若いほど、契約変更に抵抗がないことが示されています。こうした顧客の変動のため、売上計画等の予測が難しく、各社は顧客保持のスキルを高める必要がでているということでした。既存の電力・ガス会社等にとっては、老朽化する既存の固定資産の維持管理や更新との両立も課題のようです。

このほか、発電、配電、顧客サービスの管理の中心がソフトウエアになるとして、欧米で活用されている個人、商業、産業用のエネルギーマネジメントソフトウエアの紹介もありました。

携帯電話市場や航空業界ような状況になるのでしょうか。

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