米サステナビリティ会計基準審議会_2014年の年次報告公表

アメリカのサステナビリティ会計基準審議会(SASB)が2014年度の年次報告を公表しました。

2010年以降の動きやこれまで公表してきたサステナビリティ会計の基準等の動きに加え、各業界における気候変動の影響をマトリクスにしており、業界別の重要な要素(マテリアリティ)についても話題性の高いトピックがまとめられています。

例えば、自動車、商業銀行、航空業界は、気候変動の開示情報についてサマリーがまとめられ、石油ガス業界は、安全性として水圧破砕(フラッキング)の開示状況が簡潔にまとめられています。このほか、サービスへのアクセスや資源効率など、話題性の高い業種別の課題と業界の情報開示量等が示されています。

SASBは設立経緯から、非財務情報についても、財務情報と同様に比較評価できる指標の充実という問題意識が挙げられており、今回の年次報告についても業界別の特性が強調されている印象です。

現在、非財務報告の開示に関する指標やガイドラインは、GRIや統合報告(Integrated Reporting, IR)に加え、このSASBの動きなどいくつかの流れが並行して動いています。

国内でも環境省がCDP(カーボン・ディスクロージャー・プロジェクト)と連動して環境版EDINETを構築する方向が示されています。

非財務情報の開示は大きなトレンドですが、企業にとっては広い意味で経営リスク管理として、また投資家にとってはどのようにこれらの情報を活用するかが課題となっています。情報開示量が増加し、分析の精緻化が進むと徐々にKPI等が整理され、SASBのような枠組みが普及してくることになりそうです。