GRI G4とCSR2.0 とマネジメント2.0

今週、CSR報告書のガイドラインとして世界で最も定着しているGlobal Reporting Initiative (GRI)の最新版:G4が公表される予定となっています。G4では、サプライチェーンの記載や企業の業務に応じたバリューチェーンに沿ったマテリアリティ(重要性)を踏まえた報告を重視する方向のようですが、開示項目が現状から大幅に増え100項目を超えることも予想されており、CSR業界でも様々な意見があるといわれています。

http://www.verdantix.com/blog/index.cfm/post/92

GRIはCSRの情報開示に関するガイドラインですが、企業の社会的責任(CSR)全般について、これまで比較的個別に、また事業に付加的なアプローチがされ、本質的には企業経営において重視されてこなかったという反省や評価も少なくありません。このため、たとえば上記にも紹介されている意見の一つとして、コカコーラ社からは、CSR報告書は、CSRの専門家だけに評価されるものではなく、より広い範囲の関係者・読者に理解してもらうことが重要であるとして、ドラフト段階のG4について、より技術的にまた複雑になっているのではないかという課題も出されています。

http://www.cokecce.com/news-and-events/news/opinion-the-end-of-the-sustainability-report-by-lucinda-hensman-head-of-sustainability-communications-at-coca-cola-enterprises

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サステナビリティのプロフェッショナル

環境やCSR,サステナビリティに関する業務は増えていますが、実務に役立つ知識を短期間に身につけるプログラムが、アメリカのコロンビア大学でも始まるようです。

http://ce.columbia.edu/sustainability-management

このサステナビリティ・マネジメントに関する修士プログラムでは、大学内の各専門分野を横断的に学べる形のようで、最新動向を踏まえた興味深いコースがたくさんありました。残念ながら現在は、オンラインでの受講は提供されていないそうです。10数年前のペンシルバニア大学もそうでしたが、環境やサステナビリティは、分野横断型の実務が多いので、大学の様々な授業を組み合わせて受講できるプログラムはいいですね。

実務面でのサステナビリティの専門家のグループもLinkedInなどで多数できていますが、欧州ではサステナビリティの専門家のプラットフォームができています。今後も各所で広がりそうな気配です。

http://www.gacso.org/

 

グローバル化する調達先とCSR調達の課題

バングラデシュの首都ダッカ郊外でおきたビルの倒壊事故は、犠牲者が500人を超えると報道されており、インドのボパールでの事故に次ぐ惨事になる可能性があると伝えられています。ロンドンエコノミスト誌では、バングラデシュの建物基準遵守の手続きとともに、同国の基幹産業である繊維業の顧客であるグローバルなアパレル業界に対して、CSR(企業の社会的責任)の在り方を3つの選択肢を提示して問いただしています。

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社会資本(インフラ)のグリーン格付け

米国で始められているインフラ(土木系構造物)のグリーン格付け”ENVISION”は、5つの分類(地域社会・生活の質的向上、リーダーシップ、再生可能資源の活用、自然との共生、気候変動とさまざまな時間軸でのリスク対応)に基づく60項目の評価に加えて、イノベーションポイントとして、ボーナスポイントが付与される仕組みになっているようです。*5分類は説明内容をもとに意訳しているので、原文をご参照ください。

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欧州の非財務報告法案(その2)

先週公開された欧州で提案された非財務報告に関する指令案の追加情報です。法案には、この規制の背景や対象範囲に関する説明、現状の欧州での非財務報告での課題がコンパクトにまとめられています。

法案の背景となる問題意識としては、現状の非財務報告について

1)情報の量 及び 2)情報の質 の両面で十分でないとしています。具体的には、欧州内の大企業約42000社のうち、毎年非財務情報を開示しているのは、2500社程度であり、開示されている情報は、ユーザのニーズを満たしていないとしています。

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欧州の非財務報告の法案と統合報告案

 

今週は大きな動きがありました。4月16日に欧州委員会が、大企業の非財務報告の開示に関する法案(指令案:Directive)を提出しました。従業員500名以上の大企業を対象に、年次報告に重要な社会、環境、人権等のリスク情報や方針の開示を義務付けるというものです。

http://europa.eu/rapid/press-release_IP-13-330_en.htm

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RI Asia 2013

アジア責任投資の動向について

先週シンガポールで開催されたアジアの責任投資に関するカンファレンスでは、興味深い内容が発表されました。シンガポールは、一昨年SGX(シンガポール証券取引所)が上場会社向けにESG(環境・社会・ガバナンス)に関する情報開示のガイドライン(以下)を公表していますが、開示前後に企業の開示状況に大きな変化がないとのことでした。

http://rulebook.sgx.com/net_file_store/new_rulebooks/s/g/SGX_Sustainability_Reporting_Guide_and_Policy_Statement_2011.pdf

一方、世界全体では、従来の年金基金だけでなく、プライベートエクイティや非営利団体などの資産運用でもESGを配慮した責任投資への関心が高まっているとのことで、2012年からグローバルな社会的責任投資に関するレポートも発行されるようになっています。http://www.gsi-alliance.org/resources/

 

アジアの責任投資の動向は、4月に環境新聞さんに概要を寄稿させていただく予定です。

関連レポート

アジアのCSRと環境金融の動き

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