中国で環境汚染賠償保険が義務化の動き

2013年1月、中国環境保護部と保険監督管理委員会(CIRC)が共同で”義務化する汚染賠償保険のパイロットプロジェクトに関するガイドライン”を公表し、環境保険の普及を進めるという方針を示しています。

パイロットプロジェクトの対象となるのは、重金属や石油化学など環境リスクの高い企業とし、今後、建設プロジェクトに必要な環境影響評価や、環境関連の監査、認証などの行政手続きにおいて必要となるとのことです。現在はまだガイドラインの段階ですが、対象企業は2000社、保険対象額は約3000億円にのぼるとされています。

http://english.mep.gov.cn/News_service/news_release/201302/t20130227_248567.htm

環境関連の保険は、日本ではあまり普及していませんが、アメリカを中心に欧州でも一定の市場規模があり、また最近では、アジアでも制度の中で保険を活用する動きもあります。たとえば、マレーシアでは、土壌汚染の調査を行うコンサルティング会社は、一定のプロフェッショナル保険を保有することが要件となっています。

*プロフェッショナル保険は、たとえばミスなどで調査結果を間違えた時の損害賠償額の一部をカバーする保険で、Errors & Omissions (エラー・アンド・オミッション、E&O保険)とも呼ばれ、建築や医療関係者が多く入っていますが、欧米、特に米国では環境調査・コンサルティング会社でも活用されています。

環境保険は、市場メカニズムを活用して環境汚染の被害を全体として低コストでうまく活用されるメリットがあり、汚染サイトの再開発に活用されるものでは、米国では東部マサチューセッツ州のプログラムがよく知られています。

少し内容は異なりますが、国内でも除染業務では、請負業者賠償責任保険という保険が義務付けられるようになっています。

 

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