住宅の環境リスク調査(考)

たまたま見ていたテレビで、今朝紹介されていた新潟県の住宅で石油が流出したというニュースがありました。個人宅では、対応できないレベルの大変なケースですが、そろそろ日本でも住宅での環境リスク調査(また公的保険的な枠組み)の必要性が高まっているのだなと感じました。

以前のブログで紹介していますが、アメリカの住宅取引のフォーマットには、土壌汚染の調査に加え、地下タンクの有無、ラドン等の状況についても有無を記載することになっています。

イギリスでは住宅取引の8割以上で環境リスク調査が行われています。オランダでは全土で土壌汚染マップを整備し、不動産取引の際には参照することが慣例化しています。

既存の住宅における今回のような案件をどのように扱うのかは、別途検討が必要ですが、多くの住宅では、環境リスクの調査をしないまま取引されています。今後、適切な調査を実施した場合の免責や、一定の公的基金から公的補助や低利・無利子融資を受けられるようにする仕組みが必要になってきているのではないかと改めて考えさせられます。

アメリカのブラウンフィールド法の正式名称は、”小規模事業者の責任免除とブラウンフィールド再活性化法”の名の通り、一定の要件のもと、善意の零細規模の企業や住宅所有者には、浄化責任や汚染土地の連帯責任などを免除する仕組みを取り入れています。(これについては各州法との連動について課題も指摘されているほか、日本と根本的に法的枠組みが違うため、様々な検討は必要だと思いますが。)

日本は狭い国土の中でも利用できる土地の割合も少ないため、開発された土地を有効利用するとともに、適切なリスク管理の仕組みを取り入れることが必要になっていると思われます。

ちなみに、現時点では日本は、土壌汚染にかける公的支出が、諸外国に比べてはるかに少ないことも大きな課題であると感じます。アメリカでは連邦政府だけで年間1,200億円以上、欧州でも1か国で年間数十億円~数百億円以上かけていることを考えると、日本でのおそらく数億円規模以下の公的予算はあまりにも少ない状況です。土地の私有財産としての権利が強いとはいえ、地下水等をはじめとする公的な自然環境を守る意味でも、特にリスク管理情報につながる調査費用の公的枠組みや支援についてはもう少し仕組み化が必要ではないかと思っています。