ASTM フェーズ1改訂に対する環境保護庁の方針(案)公表

環境デューデリジェンスとしてよく活用されている米国材料検査協会(ASTM)の環境サイトアセスメント E1527-13について、米国連邦環境保護庁(EPA)が先週、連邦官報を発行し、今後の方向性について方針案を公表しました。

ASTMのE1527(環境サイトアセスメント:フェーズ1)は、アメリカのスーパーファンド法に基づく調査(すべての適切な質問、All Appropriate Inquieries, AAIs)と連動している重要な調査です。具体的には、この調査を実施し、汚染懸念がないうえで購入・投融資した場合、その後に汚染が発覚しても連帯責任を受けないように抗弁できる条件になります。このため、連邦官報にも影響のある業種として不動産、銀行、保険、環境コンサルティングなどが記載されています。また、2002年に制定されたブラウンフィールド法(小規模事業者の責任免除とブラウンフィールド再活性化法)の補助金などを受ける要件にもなっています。

ASTMのE1527は、現在2005年版が採用されており、いくつかの主要な変更を経て13年版として更新される予定ですが、これについてEPAがどのような方針を打ち出すかが注目されていました。

先週公表された方針案では、ASTMフェーズ1調査の13年版をAAIsとして認める一方で、AAIsとして、旧来の05年バージョンの活用も認めるというものとなっています。9月15日までのコメント期間に反対意見がなければ、11月からこの案が採用されるということで、今後1か月のコメント状況によるようですが、一部の環境業界ではBad Newsとして受け止められています。

ASTM E1527-13の改定内容については以前のブログをご参照ください。

なお、本情報については、9月に開催する環境デューデリジェンスセミナーでも概要をご紹介させて頂きます。
また、今月初めに50年以上ぶりに改訂され、CSR活動の義務化が明記されたインド会社法の概要についても、事例とともにご紹介する予定です。