DfS(安全設計)規制:シンガポールで来年から実施

かつて製品の化学物質の使用削減やリサイクルしやすい製品設計等についてDesign for Environment (DfE)という用語がよく使用されていた時期がありましたが、安全のためのデザインとしてDfS(Design for Safety)という取組が進められ、シンガポールでは来年8月から1000万シンガポールドル(約8億円以上)の建設プロジェクトにおいてプロジェクト全体でのDfSが義務付けられることになりました。

対象プロジェクトの開発事業者(デベロッパー)等はプロジェクトのDfS登録をし、DfS専門家により確認しなければならないこととなっています。

シンガポールでは比較的労災比率が高いことから安全管理に取り組んでおり、事故率は減少していたようですが、それでも一定の労災があるとのことで、イギリスやオーストラリアで進められているDfSを2008年から自主的に運用していました。これが今回法令により、来年から義務化されるようになったようです。

対象プロジェクトの規模については、過去2年間1000万シンガポールドル以上の建設プロジェクトで、重大な事故の8割が発生していることと説明されています。

シンガポールは個性的なデザインの建物も多くありますが、斬新な建物デザインと安全性を両立するのはたいへんなことなのでしょう。各国・各分野で工事の施工管理者や管理技術者などの資格もありますが、需要増の一方、熟練技術者の高齢化などにより、よりわかりやすい安全管理や新たな資格・教育訓練プログラムの充実が求められているのかもしれません。