中国で進む環境法執行体制の深化

中国経済のニュースが多くなっていますが、環境関連についても法改正だけでなく、法執行体制が深化しているようです。

2015年12月に公表された動きとして下記のようなものがあります。

・最高人民法院(最高裁判所)による環境汚染に関する訴訟10事例の紹介

・生産施設の安全にかかわる事故に対して、管理にかかわった投資家等にも責任を課す枠組みの導入

・環境影響の大きい施設に対して、施設建設の規制である環境影響評価(EIA)の事後監査制度の導入

特に3つ目のPost EIAの監査は、これまで三同時で実施してきたEIA制度の拡充的な位置づけであり、対象施設には操業開始後の管理業務が増えることになりますので留意が必要になるでしょう。

2014年末の国務院による環境法執行強化の通知により、2015年は環境監査が多数実施され、違反の是正に向けた政府の執行体制の強化が報告されました。

昨年末の上記公表内容から、典型的な事例公表、責任者の範囲の拡大、また事後監査の導入など環境法令遵守に向けた様々な整備等が行われており、2016年も、引き続き、法執行に向けた基盤強化が進められていくことが予想されます。