住宅の環境リスク調査

5月下旬に参加させていただいた富山大学のシンポジウムで、住宅における環境リスク調査の必要性が提唱されており、海外での動向について少しコメントさせて頂きました。

アメリカではラドンやアスベストに関する情報開示ルールが州別に適用されているところがありますが、最近でもこれらに加えて、敷地内の地下タンクや有害物質の漏えい(土壌汚染)などを含めたProperty Condition Reportを住宅取引に義務付ける州もでています。 続きを読む

アメリカ:融資時の環境リスク評価:環境専門家にはプロフェッショナル保険が必要

サンフランシスコで行われたEnvironmental Bankers Associationの会議に米国の中小企業庁Small Business Administration (SBA)の環境リスク管理の責任者と地域の担当官が計3名参加して、2013年3月から施行されている融資時の環境リスク評価プロセスについて説明をしていました。(ご参考

発表内容の大部分は、公表されている文書に記載されているものですが、実際に話を聞くと見落としていた部分などが明確になり、あらためて勉強になります。

会場に参加している金融機関の環境リスク管理の担当者の反応が大きかったのは、SBAのガイドラインに基づき融資時の環境リスクの調査(いわゆるフェーズ1調査やフェーズ2調査)を実施する環境専門家(Environmental Professional, EP)に求められるプロフェッショナル保険についてです。 続きを読む

ASTM Phase1 E1527-13 案:主要な3つの変更点

土地売買やM&Aの際の環境デューデリジェンスの一環として広く活用されている、ASTMフェーズ1環境サイトアセスメント(ASTM E-1527-05)が8年ぶりに改訂され、年内にASTM E1527-13として発行される予定といわれています。

ASTM のこのフェーズ1基準は、ASTM基準の中でも最も実務的な普及が進んだ基準の一つといわれていますが、2005年版以降、多くの金融機関などが環境リスクマネジメントの方針を明確に打ち出したこともあり、融資や担保評価の際にももっとも広く活用されている環境デューデリ基準の一つとなっています。また、米国の土壌汚染対策の主要法令の一つであるCERCLA (通称スーパーファンド法)の調査方法や免責要件にも正式にリンクしており、今回の改訂に当たっても、米環境保護庁(EPA)でのレビュー期間があるようです。

今年の改訂では、これまでわかりにくいと指摘されていた用語の定義や範囲を明確にするとともに、新たにリスク管理として推奨する揮発性リスクの問題などを明示する予定となっており、改訂される大きなポイントは以下3つであるとアメリカの専門家などが分析しています。 続きを読む

米銀の環境デューデリ動向とASTMフェーズ1調査:2013年版へ!?

アメリカでコミュニティバンクと呼ばれる地域密着型の中小銀行でも、融資時の環境リスク方針を整備し、融資の時に環境デューデリを実施する傾向が高まっているということです。

アメリカのSBA(Small Business Administration)でこの3月に公表されたガイダンスSOP(Standard Operating Procedure) 50-57は、初めて単独で環境リスクマネジメントに関する単独の章を設けました。フェーズ1環境調査レポートやフェーズ2調査をどのように活用すべきかなどに加え、ガソリンスタンドやクリーニング用地についても推奨事項を明記しています。

http://www.sba.gov/about-sba-services/7481/441271

今年は、8年ぶりにアメリカ材料検査協会のフェーズ1ガイド(ASTM E1527)が改定される予定とのことです。ASTMはアメリカの環境デューデリ基準ですが、日本国内でもM&Aの時などに環境デューデリとして活用されるケースもあり、またアジアなどでもこれらの基準をベースにしている実務が多くあります。

改訂版では、現状のRECs(Recognized Environmental Conditions)の定義などをより明確にすることなどが議論されているようです。年代に応じて環境リスクの定義も変わってきますので、要チェックですね。

 

 

 

中国で環境汚染賠償保険が義務化の動き

2013年1月、中国環境保護部と保険監督管理委員会(CIRC)が共同で”義務化する汚染賠償保険のパイロットプロジェクトに関するガイドライン”を公表し、環境保険の普及を進めるという方針を示しています。

パイロットプロジェクトの対象となるのは、重金属や石油化学など環境リスクの高い企業とし、今後、建設プロジェクトに必要な環境影響評価や、環境関連の監査、認証などの行政手続きにおいて必要となるとのことです。現在はまだガイドラインの段階ですが、対象企業は2000社、保険対象額は約3000億円にのぼるとされています。

http://english.mep.gov.cn/News_service/news_release/201302/t20130227_248567.htm

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