シェールガスの新規制公表とその反応

先週アメリカ内務省から、内務省の管轄する土地等におけるシェールガス開発への新たな規制が公表されました。過去数年間にわたり議論され、規制案には約150万のパブリックコメントが寄せられ、各業界からも注目が高かった規制ですが、90日後から施行される予定となっています。

規制の内容は、シェールガスの開発において使用する化学物質の情報を30日以内に開示することや、廃水の貯蔵等にピットの利用を禁止し、タンクに保管して分析することなどで廃水からの環境汚染の予防を確実にすることなどを規定しています。

すでにいくつかの州では、これらの規制は実施されており、また今回の新規制でも州の相違は一部認めることとなっていますが、業界団体等はさらなる障壁であるとし、すでに訴訟に入ったとのことです。

原油価格の大幅な下落から、シェールガス開発の採算性も厳しくなっており、今回の規制により、これまでピットを利用していた事業者を含めコスト増になると言われていますが、行政側は規制のコストは、井戸の掘削費用の1%未満であるとしています。

内務省でも、アメリカ国内のエネルギーバランスを維持していくため、過度な規制にはなっていないとしておりますが、産業界からは反対意見があり、また環境団体からは規制が緩すぎるという意見もあり、90日後の新規制の施行に向けてまだ動きがあるかもしれません。