海外環境セレクト(2020年8月)

アメリカの環境ビジネス、環境規制、ESG情報、その他各国及び国内の関連情報のなかで弊社が選んだ最新情報を概説しています。(複写・転載はお控えください)

(概要)

  • ESG情報の開示に関わる動きがでています。ESG投資が増えるにつれ、企業の情報開示ルールをどのようにするかは重要なテーマですが、日本でもESG情報開示のデファクト基準となっていたGRIとアメリカのSASBが協力に合意し、今後の方向性が注目されます。
  • 大手企業のサステナビリティレポートが発行される時期となり、各社で新たな取り組み方針や前年の実績が更新されています。

  • ESGの情報開示ルールをつくるSASBとGRIが連携へ

業界別のESG開示ガイドラインを作成する持続可能会計基準機構(Sustainable Accounting Standard Board, SASB)と、CSRのガイドラインを策定しているGRI(Global Reporting Initiative)が連携することが発表されました。
https://www.sasb.org/blog/promoting-clarity-and-compatibility-in-the-sustainability-landscape-gri-and-sasb-announce-collaboration/

これについては、環境新聞連載(2020年8月)にも紹介しています。

 

  • マイクロソフトも10億ドル(1,100億円)の気候変動ファンドを設定

マイクロソフトは、気候変動対策を進める企業グループ“Transform To Net Zero”に参画し、10億ドルの基金に投資してイノベーションを進める取り組みをすると発表しています。このグループには、ネスレ、メルセデスベンツやスターバックスなども参画しており、排出削減と経済成長を両立する取り組みを進めるとしています。https://transformtonetzero.org/

 

  • イギリス:ネットゼロのグリーン投資銀行2.0を設立検討へ

イギリスは2050年のカーボンゼロに向けて、国内の再生可能エネルギー等を支援するために、あらたにグリーン投資銀行の設立を検討しているようです。

イギリスでは2012年に化石燃料からクリーンエネルギーへシフトするためのグリーン投資銀行を設立しましたが、2017年にオーストラリアのマッコーリグループに売却しています。今回は、機関投資家にもより魅力的な投資先を選定し、取り組みを進めるものとして、“ネットゼロ投資銀行”の計画が検討されています。

https://www.uk100.org/wp-content/uploads/2020/07/UK100_Report.pdf

 

  • アメリカの15の州で2050年に向けたカーボン・ゼロの車両の方針を採用

カリフォルニア州、ワシントンDC等、15州が、2050年に向けて、新規のトラックはすべてゼロカーボンになることを目標とし、中間目標として2030年には新車販売の30%を目標とする、カーボン・ゼロのトラック採用を進める方針に署名しています。署名しているその他の州はニューヨーク州、ペンシルベニア州、マサチューセッツ州、ハワイ州等が含まれています。

https://www.nescaum.org/topics/zero-emission-vehicles

 

  • 国土交通省:不動産取引における水害リスク(ハザードマップ)開示を義務化

国土交通省は、宅地建物取引業法の一部を改正し、不動産取引時に水害リスクの開示を義務付ける規制を8月下旬から施行します。相次ぐ豪雨による洪水被害によるものと思われますが、入手可能な最新情報を使用することが明示されており、不動産取引事業者のリスク管理の強化が求められます。公布日:令和2年7月17日(金)、施行日:令和2年8月28日(金)https://www.mlit.go.jp/report/press/content/001354556.pdf

 

(お知らせ)

次回のアメリカ環境ビジネス研究会(オンライン開催)は9月24日(木)に予定しています。

ご参加をご希望の方は、メールにてご一報頂ければ詳細をお送りさせて頂きます。

どうぞよろしくお願いいたします。