アメリカの環境浄化訴訟

4月初めに、アメリカの石油化学企業と司法省・環境保護庁との間で、アメリカの環境浄化対策で史上最高額の和解が成立したというニュースがありました。

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中国の土壌汚染調査・浄化の技術ガイドライン公表

昨年のセミナー等でもご紹介したように、世界各地で土壌汚染・地下水汚染に関する法制度化が進んでいますが、2014年2月19日に中国でもあらたに国のガイドラインが発表されました。

調査や浄化の手法を示した技術ガイドラインで、今年の7月1日から、調査や浄化を実施する場合には本ガイドラインに遵守することが求められています。 続きを読む

米国住宅金融抵当公庫の環境デューデリ要件が変更

米国の連邦住宅金融抵当公庫:Freddie Macの集合住宅の環境デュー・デリジェンスと建物状況調査(PCA)の必要事項が2014年1月に変更され、法令順守の状況について追記されました。ゾーニング、土地利用、住宅バリアフリー、健康安全、消防、エネルギー関連について、連邦法、州法、地域の条例等の違反事項があれば指摘することが求められています。 続きを読む

座談会特別編:第1回と次回に向けて(参考ニュース)

先週開催させていただいた土壌汚染に関する座談会では、3時間にわたって大変楽しく、課題や現状認識について活発な議論を行うことができました。土壌汚染に関わる様々な分野(環境コンサル、建設、法務、不動産、鑑定、産業界、金融、会計、メディア、大学等)の第一人者の方々に事前ご意見も頂き、重ねて御礼申し上げます。

業務や専門の立場が異なっても、同じように課題を感じている点として以下のような論点がでました。 続きを読む

中国の土壌汚染

中国の土壌汚染についてはすでに様々な報道もありますが、昨年末改めてその深刻さについて欧米ニュースが伝えています。

日本語でも概要が報道されていますが、中国国内の土壌汚染されている土地の広さは、ベルギー一国に匹敵する約330万ヘクタール(約3万平方キロ)ということですので、東京都全体の面積の約14倍になります。

カドミウムなど重金属による農作物への汚染が懸念されているということです。現在強化されている地下水汚染対策に加えて、今後、土壌汚染対策へのニーズが高まることでしょう。

海外の調査では、土壌・地下水汚染などを中心とした国別の環境債務の規模は、日米欧など先進国では概ねGDPの数%(日本は3.6%と試算されています)にとどまっていますが、中国やインドではGDPの3割以上であるという試算になっています。まだ中国やインドでは、土壌汚染の個別法が整備されていないため、法的義務が明確ではなく債務という表現を使うのがよいのかはわかりませんが、いわゆる浄化が必要な土地にかかる費用の規模としての非常に大きいということでしょう。 続きを読む

座談会番外編として:(期間限定)日本の土壌汚染を考える会発足

国内の土壌汚染問題をどのように解決するか、既存の考えにとらわれない対策で、国内の土壌環境を保全するとともに、地域経済の成長や国内経済の成長に繋げるにはどのようにしたらよいのか、土壌汚染対策ビジネスの新たな付加価値等 を考える会を、時限的に発足することに致しました。第1回は2月中旬に開催します。

詳細は追ってご連絡させていただきますので、ご関心がある方はこちらからご登録ください。

*出席は弊社からの返信メールにて確認させて頂きます。

なお別途Facebookグループも作成しています。

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カナダでも環境リスクに厳しい行政措置:旧経営陣が環境浄化費用の支払い

昨年末近く、カナダで2012年に破たんした航空機器メーカー(Northstar Aerospace)の旧経営陣が、オンタリオ州環境庁に総額475万カナダドル(約4.5億円)の支払いに合意したというニュースがありました。

同社が保有していた土地にクロムやトリクロロエチレンなどの有害物質による汚染があり、同社の破たんとともに対策が滞っていたために、当局が替わって浄化対策を実施していました。当局では、2004年以降、すでに上記の4倍近い1700万ドル以上を支出しており、これらの費用の一部を負担するように請求されたもののようです。 続きを読む

アメリカの中小企業融資の新ガイドライン:2014年1月1日から施行

 

2013年9月に発行された、米国中小企業庁(SBA)の融資保証に関するガイドラインが2014年1月1日から施行されます。

以前のブログにも紹介した中小企業庁の融資保証等を受ける際のガイドラインですの改訂版です。

前回の紹介から環境方針は変更がありませんが、その他の手続きに大きな変更があるようで、その一つは提出書類の電子化です。各種届出はE-Tranと呼ばれるシステムに電子ファイルとして提出することが求められます。(その他重要な変更もあるようですので、そちらにご関心の方はガイドライン等をご参照ください)

環境方針は、すでに今年3月から施行されていますが、融資対象が、環境影響のある業種(別紙にNAICコードが規定されています)の場合、融資規模に関わらず、地歴調査・質問状や政府記録確認を含むフェーズ1調査から実施し、融資機関は”免責同意書”(SBA Environmental Indemnification Agreement)を添付しなければならないことになっています。

この同意書は全20ページあり、環境調査に関する専門用語の定義だけで4ページになります。借り手側は、環境調査(ASTMフェーズ1)や関連情報を提出することになり、故意の隠ぺいなどには罰金100万ドル(1億円)、禁固30年までの罰則も明記されています。厳しいですね。

フェーズ1調査は、ASTM フェーズ1環境サイトアセスメント(ASTM E1527)の2005年版を規定していますが、先月改訂された13年度版も実務的には受け付けるという方針のようです。

米国では、土壌汚染の責任については、無過失・連帯責任を原則とするため、銀行など融資機関でも融資の際に土壌汚染調査フェーズ1、フェーズ2を独自に実施することが多くありますが、今回のものは、中小企業の融資にもそれを適用することになったものです。

これまではガソリンスタンドやクリーニング業など、中小企業の融資の際には、環境調査が実施されないことも多かったということですが、今回の中小企業庁のガイドライン改定により、中小規模の融資における環境リスク調査が広がることが予想されています。

ASTMの改訂については先日BELCAさんで講演させていただいた資料に概要を入れていますのでご参照ください。

 

 

マンション建替えに潜む隠れた問題

来年度の税制改正にマンション建替え推進に対する優遇税制が導入されるというニュースが報道されています。

現在、マンションストックは約600万戸あり、そのうち2割以上は1980年代以前に建てられており、旧耐震基準の問題が指摘されています。

ただ建て替えにあたってもう一つの課題は、土壌汚染問題ではないでしょうか。 続きを読む

アメリカの土壌浄化ビジネス市場:日本の10倍規模に

2012年の国内の土壌浄化市場の市場規模は約800億円になっていることは、先般のブログでもご紹介しましたが、アメリカでは、製造拠点の統廃合やシェールガス開発関連の案件もあり、土壌浄化の市場も継続的に成長を続け、2012年は約8,000億円と、いつの間にか日本の10倍の市場規模になっています。

2013年には8,300億円強になるとの予想もでています。

数年前に、国内市場規模が約2,000億円あったころには、アメリカ市場は6,000-7,000億円くらいで、3倍前後でした。アメリカは国防省やエネルギー省の案件が半分近くありますので、ほぼ2倍と、GDP比と同程度でした。

アメリカ市場も、成長要因や差別化要素などこれまでの市場と異なっているところもあるようですが、継続して成長している市場では技術開発の予算配分も充実し、あらたなソリューションも生まれてくるでしょう。

他の市場も見ながらヒントを見つけていきたいと思います。

PS. 本日、応募していた中小企業庁のミラサポ:第一次審査通過のご連絡を頂きました。

皆様のお力を頂きたいと願っておりますので、どうぞよろしくお願い致します。

 

 

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