4月FINEV座談会は外部講師による『ガス市場自由化の行方』です。

FINEVの定例の座談会、4月はタイムリーな”ガス市場の自由化“について、

JX日鉱日石エネルギー(株)ガス事業部の藤生様にご登壇頂けることになりました。

  • ガス市場は全面自由化するのか、その課題は?

  • 電力&ガス(Gas & Power)の統合会社は出現するか。

  • 再生可能エネルギーの行方はどうなるか?

  • 自由化によって価格は下がるのか? などを含めたお話を幅広いご専門の知見から伺えます。

学会等でもご登壇の専門家による大変貴重な機会ですので、ぜひご参加ください。

なお、ご登録を頂いていない方で、ご参加希望の方はこちらから、会社名、ご所属、お役職、連絡先等を明記していただき、4月の座談会希望とご連絡ください。弊社より詳細のご連絡をさせて頂きます。
なお座席の関係上、ご参加いただけない場合もございますのでご了承ください。

アメリカの中小企業融資の新ガイドライン:2014年1月1日から施行

 

2013年9月に発行された、米国中小企業庁(SBA)の融資保証に関するガイドラインが2014年1月1日から施行されます。

以前のブログにも紹介した中小企業庁の融資保証等を受ける際のガイドラインですの改訂版です。

前回の紹介から環境方針は変更がありませんが、その他の手続きに大きな変更があるようで、その一つは提出書類の電子化です。各種届出はE-Tranと呼ばれるシステムに電子ファイルとして提出することが求められます。(その他重要な変更もあるようですので、そちらにご関心の方はガイドライン等をご参照ください)

環境方針は、すでに今年3月から施行されていますが、融資対象が、環境影響のある業種(別紙にNAICコードが規定されています)の場合、融資規模に関わらず、地歴調査・質問状や政府記録確認を含むフェーズ1調査から実施し、融資機関は”免責同意書”(SBA Environmental Indemnification Agreement)を添付しなければならないことになっています。

この同意書は全20ページあり、環境調査に関する専門用語の定義だけで4ページになります。借り手側は、環境調査(ASTMフェーズ1)や関連情報を提出することになり、故意の隠ぺいなどには罰金100万ドル(1億円)、禁固30年までの罰則も明記されています。厳しいですね。

フェーズ1調査は、ASTM フェーズ1環境サイトアセスメント(ASTM E1527)の2005年版を規定していますが、先月改訂された13年度版も実務的には受け付けるという方針のようです。

米国では、土壌汚染の責任については、無過失・連帯責任を原則とするため、銀行など融資機関でも融資の際に土壌汚染調査フェーズ1、フェーズ2を独自に実施することが多くありますが、今回のものは、中小企業の融資にもそれを適用することになったものです。

これまではガソリンスタンドやクリーニング業など、中小企業の融資の際には、環境調査が実施されないことも多かったということですが、今回の中小企業庁のガイドライン改定により、中小規模の融資における環境リスク調査が広がることが予想されています。

ASTMの改訂については先日BELCAさんで講演させていただいた資料に概要を入れていますのでご参照ください。

 

 

1月のFINEV座談会

1月のFINEV座談会テーマは以下を予定しています。

【テーマ】

シンガポールの環境政策とグリーン戦略について

“クオリティ国家シンガポールに学ぶところは何か”

・自由化後の電力市場とプレイヤー

・スマートシティ・工業団地建設を進めるグローバル企業

・シンガポール証券取引所のサステナブル戦略

・グリーンビルディング戦略と人材育成戦略

 

ご参加希望の方はこちらからご連絡ください。詳細をご案内申し上げます。

欧州議会で非財務情報の開示義務法案が承認

昨日の欧州議会で、環境・社会・労働側面やガバナンスなどの企業の非財務情報の開示を義務付ける提案が承認されました。

従業員500名以上の大企業や上場企業に、情報開示の拡充を義務付ける方向で、今後、国際的な指標などを踏まえて、開示拡充に向けたガイドラインなどが策定されるようです。さらに2018年以降は、大企業の国別の税額・利益・補助金などの開示を義務付けるかどうかも検討することが追記されています。

企業経営の大きな方向性ではありますが、企業にとっては、これまでと違う種類の情報を開示することになりますので、大変な時代になりつつあります。

法案内容については、4月に掲載したブログもご参照ください。

 

アメリカの土壌浄化ビジネス市場:日本の10倍規模に

2012年の国内の土壌浄化市場の市場規模は約800億円になっていることは、先般のブログでもご紹介しましたが、アメリカでは、製造拠点の統廃合やシェールガス開発関連の案件もあり、土壌浄化の市場も継続的に成長を続け、2012年は約8,000億円と、いつの間にか日本の10倍の市場規模になっています。

2013年には8,300億円強になるとの予想もでています。

数年前に、国内市場規模が約2,000億円あったころには、アメリカ市場は6,000-7,000億円くらいで、3倍前後でした。アメリカは国防省やエネルギー省の案件が半分近くありますので、ほぼ2倍と、GDP比と同程度でした。

アメリカ市場も、成長要因や差別化要素などこれまでの市場と異なっているところもあるようですが、継続して成長している市場では技術開発の予算配分も充実し、あらたなソリューションも生まれてくるでしょう。

他の市場も見ながらヒントを見つけていきたいと思います。

PS. 本日、応募していた中小企業庁のミラサポ:第一次審査通過のご連絡を頂きました。

皆様のお力を頂きたいと願っておりますので、どうぞよろしくお願い致します。

 

 

米国各地でのシェールガス反対運動

今月初め、コロラド州の3つの市とオハイオ州の1つの市でシェールガス開発である水圧破砕、いわゆるフラッキングを一時的に禁止する住民投票が行われました。コロラド州では、フォートコリンズ市とボルダ―市、ラファイエット市でフラッキングの禁止が可決されましたが、 投票数を再確認していたBroomfield市では、13票不足していたようです。関連情報はこちらのほか、各種メディアに掲載されています。

アメリカでは、州全体としてシェールガス開発を禁止しているところはニューヨーク、ニュージャージ、メリーランドなどわずかに留まりますが、郡や町(Town)でその境界内に新たなシェールガス開発を行うことを禁止するケースはすでに100以上に上っており、少なくとも8以上の州の特定の地域で禁止等が行われています。

一方、州法で認められているシェールガスの掘削が、州内の特定の自治体(群や町)で禁止できるかどうかについては訴訟となっているところもあり、Zoning規制(この場所では実施してはいけないというもの)は認められないが、一定の手続き等の追加は認められるなどの判決が出ているところもあります。全体として、シェールガス開発の環境影響などに懸念をする住民運動が増えていることは事実ですが、これらがシェールガス全体の開発にどのような影響を及ぼすのかはまだはっきりした影響はみえにくい状態です。

ただし、これらの住民投票や地域の規制が、ビジネス実務に及ぼす影響はあるため、事業実施主体だけでなく、投融資をする企業や金融機関でも環境デューデリジェンスとして、通常の質問に加えたいくつかの内容を追記すべきと提唱されています。またシェールガスの掘削井戸の近くの不動産に関しても、こうしたデューデリを実施することが求められる場合もあります。

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ユーティリティ業界の将来図:5つのトレンドと6つの視点

先々週、海外の調査会社のWebinarがあり、アメリカ・欧州を中心とするユーティリティ業界の将来動向に関する大変興味深い議論がありました。

日本でも2016年からの電力自由化に続き、ガス事業の自由化の議論も始まっていますが、すでに自由化が進んでいる海外のユーティリティ業界では、今後も大きな変化が続くということです。

セミナーでは大きく以下5つのトレンドと6つの視点から、個別事例や英米オーストラリアなどの電力/ガス会社、エネルギーマネジメント・ソフトウエア、顧客アンケート結果等の紹介もありました。 続きを読む

ブラウンフィールド化進む国内と土壌汚染ビジネス

環境省が取りまとめている土壌汚染対策法の施行状況によると、11月1日現在、国内の形質変更時要届出区域(土壌汚染があるが、現在すぐに対策が求められるのではなく、形質変更時に届け出ることが求められる土地)は、913サイト、要措置区域(土壌汚染対策が求められる土地)は113サイトとなり、合わせて1,000サイトを超える状況となっています。

2010年の土壌汚染対策法の法改正前にあたる2009年度末には、指定区域が約200サイトだったことを考えると、3年半で5倍に増加している状況となっています。すべてのサイトが有効利用されていないわけではないと思いますが、形質変更にあたる、解体や改築などをしない、いわゆる未利用の建物や有効利用が進められていない土地もそれなりの割合になっている可能性があります。

土壌汚染対策が進まずにいることを反映しているためか、社団法人土壌環境センターが発表した昨年度の土壌汚染ビジネス市場は、2006年度のピーク時の半分以下の800億円に落ち込んでいる状況です。(今年度は不動産市況も活発になり、増加に転じると思われますが・・)

こうした中、欧州では土壌汚染対策に関する規制や、汚染土地の健康被害と今後の対応に関するいくつかの進捗が見られます。 続きを読む

環境・サステナビリティに関する実務教育

先週の座談会では、4時間余りにわたって国内外にわたる環境や持続可能性に関する楽しい議論をさせて頂きました。第一線で活躍されている、違った専門分野の方と同じテーマについて議論するのはとても勉強になります。

環境分野のソリューションは、各地域の自然環境や国の歴史文化、ビジネス慣行など、様々な要素を踏まえて成熟していっています。そのため、各国や各地域での違いもあります。そうした違いを知ることで、新たなビジネスのヒントや、現状のアップデートにつながるものもでてくるかもしれません。

今は環境関連の業務の大部分は、実務を通じて習得するOJTがほとんどですが、環境ビジネスに直接役立つ知識や知見を短期間に修得できる大学や実務教育の場が日本にもっとできてもよいのではないかというご意見もありました。

ちょうど、一昨日、米投資銀行モルガンスタンレーがInstitute for Sustainable Investment (持続可能な投資に関する研究機構)を設立したという発表がありました。 続きを読む

シンガポールのグリーンビルディング戦略

建物のグリーン化を進める制度や政策は、世界中で広がっていますが、アジアではシンガポールが世界的な認知を広めつつあるようです。グリーンビルディングを推進するシンガポールの管轄行政であるBCA (Building and Construction Authority)は、建物のグリーン化を推進している組織として欧米以外で初めて、アメリカの省エネ推進団体(Alliance to Save Energy)から表彰を受けています。

2005年から始められたシンガポールのグリーンビルディング認証「Green Mark」は、初年度17棟だったものが、2013年には認証数が1,700に近づき、シンガポール国内だけでなく、インド、中国、マレーシア、中東などシンガポール外にも約30の認証があるということです。4分類の最高位にあるプラチナ認証の建物も2012年に100を超えたということで、認証された建物のリストや検索方法も、リストと地図の両方で検索できるなど、わかりやすい表示になっています。 続きを読む

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